「ホースバット」という革の名前を、はじめて聞いたという方も多いかもしれません。コードバンなら聞いたことがある、という方のほうが多いと思います。実はこの二つ、同じ馬の同じ部位から取れる革です。ただし、まったくの別物です。
オンラインストアを新しくして1年。その第二弾、ミニウォレットに待望の新作。
オンラインストアを新しくして1年。その記念企画の第二弾として、ミニウォレット(ME116)に、このホースバットを使った新作が加わります。発売の前に、この革がどういうものなのかを、できるだけわかりやすくご紹介します。
1. ホースバットは、馬のどこの革か
ホースバットは、馬の臀部(お尻)から取れる革です。
馬の革は、牛にくらべて軽くしなやかなことで知られています。ただ、臀部だけは例外です。体のなかでいちばん繊維が詰まっていて、厚みのある革が取れる数少ない部位です。

2. コードバンとは何が違うのか
コードバンもホースバットも、同じ馬の臀部から取れます。違いは「どの層を使うか」です。
コードバンは、革の表面(銀面)と裏面(床面)を削り落として、中にある緻密な層だけを露出させたものです。だからあのガラスのような光沢が出ます。
ホースバットは、表面を残したままの革です。表面には毛穴の跡や筋、小さな傷がそのまま残ります。光沢で魅せる革ではなく、表情で魅せる革です。同じ部位でも、見た目も手触りも、育ち方もまったく違います。
3. 時間をかけて鞣すということ
今回の革は、イタリア・トスカーナのタンナー、MARYAM(マリアム)が手掛けています。

鞣し(なめし)とは、動物の皮を腐らない「革」に変える工程のことです。MARYAMのホースバットは、樹木から採れるタンニンだけを使う「植物タンニン鞣し」で作られています。薬品を使う方法にくらべて何倍も時間がかかりますが、革が本来持っている風合いがそのまま残ります。
さらに「バケッタ製法」と呼ばれるトスカーナの伝統的な仕上げが施されています。水を使わず、時間をかけて牛脂を繊維の奥までじっくり染み込ませる方法です。革の裏側を見ると、脂が染みた模様が見えます。

この脂があるから、厚いのにしなやかで、使うほど内側から艶が上がってきます。
4. ホースバットの表情。均一ではないということ

一枚の革のなかでも、色の濃淡があり、筋があり、小さな傷があります。これは隠さない仕上げだから残るものです。均一な革がほしい方には向きません。けれど、同じものが二つとないという意味では、これ以上の革はありません。
5. どんな風に育っていくのか
正直にお伝えすると、使い始めは硬いです。クロムエクセルのように、買ったその日から手に馴染む革ではありません。
そのかわり、変化は大きい。毎日手にして、ポケットに入れて、開いて閉じてを繰り返すうちに、三つのことが同時に進みます。
- 色が濃くなる
- 内側の脂が上がって、艶が出る
- 牛革のような細かいシワではなく、大きくうねるシワが刻まれる

断面を見ると、表面の黒の内側が茶色をしています。この革は「茶芯」で、芯まで黒く染めるのではなく、茶の革の表面だけを黒く染めたものです。使い込んで角や縁が擦れると、黒の下から茶が少しずつ顔を出します。
使う人の癖が、そのまま形になって残る革です。
6. こんな方に向いています
- 革を「育てている」実感がほしい方
- 変化をはっきり楽しみたい方
- 最初の硬さを、面白がれる方
逆に、買ってすぐ柔らかく、手をかけずに馴染ませたい方には、これまで通りクロムエクセルのミニウォレットをおすすめします。どちらが上ということではなく、性格が違う革です。
7. ホースバットのミニウォレットについて
手のひらに収まるサイズに、カード、小銭、お札が収まります。



完成したミニウォレット。写真は工房の自然光で撮ったもので、表面のトラや陰影がそのまま写っています。お届けする一点は、この写真と同じ表情ではありません。
発売は、11月20日(金)20:00に公式LINE登録者へ先行販売、11月21日(土)12:00に一般販売。価格は¥32,000(税込¥35,200)、色はBlackのみです。販売は、オンラインストアと代官山店のみです。先行販売は、公式LINEでお届けするリンクからご購入いただけます。制作の過程は、開発記録でご覧いただけます。
→ HORSE BUTT MINI WALLET PROJECT 開発記録
→ 商品ページを見る
→ LINEで発売の案内を受け取る